駆け込み需要に振り回される業界

[Add article:2017-08-16 16:18:05

家電量販店の仕事は、社会情勢にかなり振り回されてしまう仕事なんです。今はインターネットショッピングが主流ですから、ネットを使いこなせる消費者はネットを検索して賢く値段を比較して、そのまま自分が最適だと思った商品を通販で注文してしまいます。家電は重いものもおおいですし、家電販売店で購入してお金をかけて配送してもらったり、自分で苦労して持ち帰るよりも、通販の方が手軽だし送料無料などのサービスが受けられるからです。

だけど、高齢者の方ではまだまだインターネットを使いこなせない人も多く、社会情勢によって突然人がどっと押し寄せることもあります。たとえば、地デジ化によってアナログ放送が終了することが決まった時は、誰もがみな新しいテレビを買い求めました。こういった技術の革新や、制度の変化などによって、急に手が回らないほどに売れて、翌年業績が落ち込み……ということを繰り返す業界なんです。

売れ線の家庭用ゲーム機が発売された時などもそうですね。据え置き型のゲームは下火になってきていますが、それでもお子様のいる家庭ではまだまだ人気があります。ネット予約がすぐに満了してしまい、家電販売店に発売日に長蛇の列……といったケースは、今でも珍しくはないものです。

そういった流れも、今後はどんどんインターネットを活用する世代に入れ替わっていくことで、だんだん失われていくかもしれませんね。家電販売店は、販売店というよりも実物を見せて受注をするためのショールームといった側面が強くなるかもしれません。

それでもこの仕事は好きなので、できれば長くこの業界が生き残れる道があればいいな、と考えているところです。