店頭販売は、価格以外で勝負するしかない

[Add article:2015-10-08 13:51:19

以前にも書いたけれど、店頭販売は基本的に、値段ではインターネット販売に勝つことができません。それは店舗運営にかかるコストが、インターネットショップは圧倒的に少ないからです。スケールメリットの面から見ても、今や、大型量販店とアマゾンなどの大型ネットショップはほとんど変わりがないと思います。だから、店頭販売はネットショップよりも、2000~3000円は高くなりがちです。

それでは、もう大型量販店には、価値はなくなってしまったのでしょうか。私はそうは思いません。それというのも、インターネットショップには、コストを削っている分カバーできない部分が存在しているからなんです。

それは接客というサービスです。インターネットショップはコストを極力削るために、商品説明などに人件費をかけません。そのため、その商品を買うかどうかの判断材料が足りないのです。商品のレビューなどもありますが、ネットの情報は不安要素が大きいので信用に値しません。やはり、実際に触ってみたり、商品の説明を受けたりすることが、一番の信用につながります。

だからこそ、店頭で商品を触って、ネットで購入するという人も出てくるのですが...だからといって、商品説明をおろそかにしてはいけません。そうした人が全てじゃなくって、説明に満足すれば購入してくれるお客さんもいるということです。そのあたり、最近の家電量販店の姿勢はおかしいと思います。店員に商品のことを聞いてもわからないっていうばかりで、ろくに商品知識もない。僕の勤め先もそうですが、従業員の研修が足りないんですよね。サービスが同じなら、そりゃあ、価格が安いインターネットショップにお客が流れますよね。

「死中に活あり」とは、まさに今の家電量販店のためにあるような言葉で、家電量販店はサービスの中にこそ、インターネットショップとの差別化を図っていかなければならないんだと思います。これまで、一人勝ちだったところに新しい勢力が加われば、お客を奪われるのは当たり前の話。いつまでも殿様気分でいないで、ちゃんと勝負していけば、まだまだ戦えるはず。だって、価格の差はたったの2000~3000円の差なのだから。それくらいサービスで埋められるでしょう。

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